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Monetary Theory of the Price Level

物価水準の貨幣理論(Monetary Theory of the Price Level, MTPL)は、現代貨幣理論(Modern Monetary Theory, MMT)の考えをもとに、物価水準の財政理論(Fiscal Theory of the Price Level)を発展させた経済学の理論です。

「政府の借金」は減らさなければいけないものではありません。「誰かの借金は誰かの資産になる」という会計原則上、政府の借金を減らすと民間の資産が減ります。

MMTは数式モデルが存在しませんが、MTPLは数式モデルによって表現されています。

MMTについてはこちらを御覧ください。

サイト運営者・木村優が提唱しています。

https://papers.ssrn.com/abstract=3429565

FTPL、「政府の財政の方針が物価水準を決定する」と想定するモデルです。政府債務が増加するとインフレが発生するということになります。

ですがFTPLは根本的に、「なぜ政府の債務だけが物価水準と関係するのか?(例えば、企業の債務などはなぜそうではないのか?)」という問いに応えることができません。これは、FTPLが「貨幣なき理論」ともいわれているからです。

MTPLはFTPLに対し、MMTの考えを付与することで、「貨幣ある理論」に昇華させました。

着眼点は、「法定通貨の単位(円やドル)に価値が生まれるのは、それら法定通貨の単位を基準として納税することが義務となっているからである」というポイントです。

FTPLを参考にすると、政府が支出を増加させて債務を増加させることで、インフレーションが発生するという結論になります。

ですが、このインフレーションを止める要素がないという結論になります。貨幣の概念が存在せず、なにが貨幣価値を担保しているのかがわからないからです。したがってインフレーションを予防する観点から、「政府は債務を減らすべき」と主張する経済学者もいます。

一方MTPLでは、「貨幣の価値がどこからきているのか」ということを明らかにしていますから、「貨幣価値を上げればデフレになる、つまりインフレを止める要素になる」と言えます。

少子化問題や科学研究力の低下問題などは、政府が補助金を出すことによって解決できるという発想は当たり前となりつつありますが、「政府債務が増えるとインフレーションが発生するため、控えなければならない」という発想のもと、これら各種問題を解決する策が打てずにいました。

ですがMTPLは、インフレを止める(デフレを促進させる)要素の存在を主張しています。税です。税率が上がれば、納税に使われる単位(日本なら円です)をみんなが集めようとします。 納税に使われる単位の価値が上がるのです。

「税によってハイパーインフレは抑えられるので、一時的な政府債務の増加は問題がない」ため、少子化問題や科学研究力の低下問題に対して、積極的に補助金を出すべきという結論になります。