クリスマス早々、日経は大暴落やらマイニング撤退やら、慌ただしい一日です。
マイニングマシン撤退のニュースを受けて、マイニングマシンの価格算定はわりと興味を集めやすいトピックかなと思うので書いておきます。
マイニングマシンの適正価格を算定するには割引現在価値の概念を理解しておく必要があります。
以下をご覧ください。
マイニングマシンの適正価格も各期のフローの割引現在価値、ということになります。
適正価格=t期の採掘利益の割引現在価値の総和
ということです。
- Π(t)…t期の利益
- r…割引率(利子いれとけばいい)
- t…t期はt年目という意味で解釈してください
とすると、
\[ FairPrice=\sum_{t}^{\infty} \frac{\Pi\left(t\right)}{\left(1+r\right)^t}\]
と表せます。
株の場合、配当がt期のフローのなので、企業の業績みたりだとか実際の値調べるだとかで予測することができます。簡単ですね。
あとはその式に配当や利子率やらを代入するだけで一説としての株の適正価格を算出できます。
一方、マイニングの場合どうかというとですね。
t期の利益というのは、マイニング報酬で得られるアセット(例えばビットコイン)からコスト(電気とか)を差し引いたものになるわけですが、マイナーには得たアセットをいつ売却するか選択する余地があります。
具体的に言うと、掘ったアセットを安い間はホールドし、高くなってから売る、ということです。
これにより、t期の利益というのは、「t期~∞期においてもっとも高くなったときのアセットの価格」を選択して決められる、ということになるのですが、
∞期先まで価格を見通すのは神でない限り不可能
です(神というのはここでは宗教的な意味ではなく、情報の非対称性がまったくない世界の全情報を得られる存在の比喩)。
これが理由で、マイニングマシンの適正価格算定はかなり難しいものだと考えています。
事業化するには不確定要素が大きすぎることから、
「固定設備投資を伴ったクリプトアセットへのレバレッジ投資」
といってもあながち不適切な比喩ではないのかもしれないとも思い始めています。
なにはともあれGMOのマイニングは意義あるチャレンジだったとは思うので、とりあえずお疲れ様でしたといいたいですね。