LCNEMに関する金融庁への法令適用事前確認手続きに対する回答

ご存知かとはおもいますが私はLCNEMという日本発のステーブルコイン(法定通貨担保型)のプロジェクトをやっていまして、それに関する金融庁への法令適用事前確認手続き(ノーアクションレター)をしていました。

それに対する返答が来ましたのでここに報告します。

 

1.法令の名称及び条項

資金決済に関する法律第二条

2.将来自らが行おうとする行為に係る個別具体的な事実

米国のTether社に代表されるような、法定通貨の裏付けがある資産の取引をブロックチェーンに記録することによる低コストな送金システムを、日本でも実現しようとしている。
現在は、自家型前払式支払手段として換金に対応せずに大手ECサイトの商品券との交換にとどめることで実験的に稼働している(ただし未使用残高が1000万円をまだこえていないため、弊社はまだ自家型前払式支払手段発行業者の届出はしていない)。今後は第三者型前払式支払手段に移行して加盟店舗への換金に対応するか、資金移動業登録をして換金に対応するか、どちらにするかを考慮している段階である。

3.当該事実が照会法令の適用対象となる(ならない)ことに関する照会者の見解及び根拠

資金決済に関する法律第二条において、仮想通貨から通貨建資産は除かれている。そのため、弊社事業の証票はブロックチェーン上の電子データであっても仮想通貨にあたらないと考えているが、間違いないか。
また、仮想通貨にあたらず、従来の商品券等と同じ扱いであると考えているため、弊社でない第三者の事業者が、顧客どうしでの弊社事業の証票の交換を取り次ぐ場合、仮想通貨交換業者登録でなく古物商許可の取得が必要であると考えているが、間違いないか。
第三者型前払式支払手段、資金移動業いずれも裏付け資産の供託が義務付けられているため、事業の性質からして仮想通貨に該当するよりも理にかなっていると考えている。

 

返答(電話)

  • 通貨建資産であるため、ブロックチェーン上の電子データであっても仮想通貨に当たらないとの認識で間違いない。
  • 古物商許可は金融庁ではなく警察の所管であるため正式な回答を申し上げることはできないが、一般論としてはその認識の通り、仮想通貨交換業登録ではなく古物商許可取得が必要だろうと考えている。
  • ノーアクションレターは、条文に明確に指定されていないグレーゾーンな件に関して文書で明らかにすることが趣旨の制度であるが、通貨建資産が仮想通貨から除かれることは条文で明確になっている明らかな事実であるため、文書での返答ではなく電話での返答にとどめさせていただく。

 

以上です。