このままではALISはコケる

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ALISというプロジェクトがあります。

日本発のプロジェクトで、ICOをやりました。

Steemitに、nemのような重要度評価を取り入れた仕組みだそうです。

ホワイトペーパーを読んだのですが、このままではこけるでしょう。解説します。

まず、仮想通貨の価値の付き方について

仮想通貨のための経済学~効用~

SCAMを見抜け!~ecobit編~

SCAMを見抜け!~NoahCoin編~

あたりを読んでおいてください。有料記事のほうは、理解していれば買っていただかなくて大丈夫です。

というか、この記事全部読めばALISがこけることも理解できるような。。。まぁ、説明します。

実効性のタイムラグ

すぐに引き出すインセンティブを無くすために、NEMのProof of Importanceにおける重要度のように、トークンを保管する日が経つにつれて上昇する値を使用するようです。

$$ f\left(t\right) =
\begin{cases} log_{94}t \left(1\leq t < 94\right) \\
1 \left(94\geq t\right) \\
\end{cases}
$$

インフレーション

ホワイトペーパーによれば、初期に5億枚発行し、2.5億枚を販売、2.5億枚をインセンティブ運営が保持するようです。

ここで気を付けてほしいのが発行数が決まっているという事実です。

で、その記述のあとにこのような記述があります。

Crowdsaleを通じて配布したALISトークンのうち、exchangeのwalletに⼊っている割合をx1,ALISwalletに⼊っている割合をx2とすると、x2に対して50%のインフレ率が適用される。このインフレ率分のトークンが記事を作成する人と記事を評価する人に配布されることになる

発行数が決まっているのに、どうやってインフレさせるんでしょうか?発行数が決まっているのにインフレは起こりません。

おそらくインフレではなくマイナス利子率ととり違えているものと考えられます。

普通、預金するとわずかながら利子がもらえますよね。でも逆にとられちゃうのがマイナス利子です。

マイナス利子率ならばALISwalletを使うメリットはなく、exchangeでの保管をすることになるはずです。実際、法定通貨のマイナス金利政策も、タンス預金に逃げるインセンティブができてしまうといわれています。

しかしながら上述のように実効性をためるためにはALISwalletに入れなければならないため、ALISwalletは使われる、というロジックなのでしょう。

分配

先ほど、

このインフレ率分のトークンが記事を作成する人と記事を評価する人に配布されることになる

という記述がありました。

つまり、記事を書くか、良い記事を評価すればALISトークンがもらえるということですね。

どこで使えるの?

インフレとマイナス利子の取り違えはあれど、ALISトークンがもらえる設計に関しては十分によく考えられていました。評価の高い記事を評価した人ほど評価の質が良いと判断されるようで、ノイズ対策がうまくできています。

しかしながら、ALISトークン、どこで使えるんですか?ホワイトペーパーに記述が見当たりません。

仮想通貨のための経済学~効用~

SCAMを見抜け!~ecobit編~

SCAMを見抜け!~NoahCoin編~

にも書いた通り、何らかの財と交換してくれる者がいてはじめて価値がつきます。

ETHに価値がつくのは、gas代として払えば「EVMがコントラクトを履行し、チェーンに刻む」という財をEthereumチェーンが提供してくれるからなんですよ。

XEMに価値がつくのは、手数料としては払えば「トランザクションを送信する」という財をNEMチェーンが提供してくれるからなんですよ。

配布されるだけで使い道がないのであれば、EcoBitやNoahCoinと同様、無価値ですよ?

ALISトークン無価値問題。これをもって、今のままではALISはコケるといえます。考えられたALISのインセンティブ設計はすべて機能しなくなります。無価値のものをもらえてもインセンティブないですからね。

わからない人は紙のクーポンで考えましょう

ALISwalletという倉庫に「ALIS」と書かれた紙を預けると、年に半分没収されます。

でも長いこと倉庫に預けておくと、「実効性」が与えられます。

いい記事を書いた人は、「ALIS」と書かれた紙をもらえます。

いい記事を評価した人は、「ALIS」と書かれた紙をもらえます。

このようなシステムとインセンティブ設計が一緒です。

このようなシステムで「ALIS」と書かれた紙に価値を見出す人がいますか?

「ALIS」と書かれた紙で何かの支払いができるなら良いんですが、ないですよねそんなの。

この価値のない「ALIS」と書かれた紙欲しさに、記事を書く努力をする人がいますか?

この価値のない「ALIS」と書かれた紙をもらう方法である「評価」をするために、わざわざマイナス利子の付くところに預ける人がいますか?

Q.じゃあなぜICOは買われたの?

A.投資家がバカだからです(ごめんなさい、でも本当です)。ぼくのブログの記事を読んで、経済学の知識をつけると良いと思います。

Q.ALISに価格ついてるじゃん

A.共同幻想です。しかしながら、

仮想通貨のための経済学~ゲーム理論~

を読めばわかるかもしれませんが、この共同幻想はナッシュ均衡ではありません。非常に不安定なものです。みんながこの記事を読んでALISが無価値だと気付けば共同幻想は崩壊し、ALISの価格はゼロという均衡に到達します。

共同幻想がもし仮に続くのであれば、ALISは機能しますよ。でも均衡じゃないので。。。

Q.対案を示せ!批判するだけなら今の野党と同じだ!

例えば有料記事への支払いにALISトークンのみが使えるとかならALISは無価値でなくなります。

まとめ

ALISトークンはもらえるだけで、財との交換経路が存在しません。質の良い記事を書いたところで、EcoBitやNoahCoinと同様に、無価値のものがもらえるだけとなります。

ALISのホワイトペーパーは数式が多用されており、これに安心感を持った投資家は多いのではないでしょうか。しかしながら、インセンティブ設計は考えられていても、根本的に無価値なものでインセンティブ設計しており、インセンティブになりません。

このままではALISはコケます。

ALISは今のところ残念ながら制度設計としてはお粗末ですが、修正され、日本発プロジェクトとして世界で花開ければ良いですね。そうなるならば応援します。

4/24追記

ちょうど昨日、有料記事への支払いに使えるようになったそうです。ドンピシャ。よかったですね。(これ、ICOの時点で言っとかないとダメなやつです)

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