CosmosのIBC対応版”Stargate”の技術的な話題

こんばんは。

最近、開発を追い込みすぎてブログ書く余裕がなかったのですが、こんなスタイルイケてねえなと思い返し、余裕をもってブログを書くことにしました。

今回の話題はCosmosのIBC対応版”Stargate”の技術です。

そもそもCosmosって?

異なるブロックチェーンから異なるブロックチェーンに、トークンを送信することができる”IBC” (Inter Blockchain Communicationの略)という通信を、広範囲に行うことで、異なるブロックチェーン同士でも相互に使えるようなネットワークをつくろうとしてるプロジェクトのことです。Cosmosという名前は、特定のブロックチェーンを表してはいません。ネットワークの名前です。なので以後、わかりやすいようにCosmosネットワークと書きます。

IBC対応版って?

Cosmosネットワークに対応できる(=IBCに対応できる)ブロックチェーンを開発する一つの方法として、“Cosmos SDK”というブロックチェーン開発キットを使うことで、ブロックチェーンを開発する、というのがあります。

(別の方法としてIBCそのものを独自に実装してしまうというのもあり得る。)

このCosmos SDKは、v0.39以下の系統(コードネームLaunchpad。直訳で発射台)ではIBCがまだ実装されておらず、IBC関係ないタダの軽量ブロックチェーンを作るキットにすぎませんでした。

Stargate

しかしv0.40以降(コードネームStargate)ではIBCがついに実装され、IBC機能があるブロックチェーンを作るキットになりました。

これがいつ発表されるのかって?もう実装されてます。もう出てます。もう使えるんですよ。

Stargateの認知度の現状

しかしながら、IBCという、インパクトのある技術が実用段階に入ったというのに、あまり盛り上がってないですね。

そうなんです。盛り上がりに欠けています。

ブロックチェーンが異なるもの同士でも相互に使えるようになり、「ぼくのおうえんするさいきょうのブロックチェーン・あんごうしさん」論争の終結をみんなが出迎えるような、そんな世界は来ていません。それぞれ自分の好きなチェーンを使って、他人が別チェーン使っていようがそのまま受け入れられる世界。

Telegramでも、ブロックチェーン”Cosmos Hub”(コードネームGaia)のトークンATOMの価格の話やらスケールの小さい話ばっかりで、技術的な話題は盛り上がりません。

以下、ほとんどの人にスルーされちゃったツイートですが笑、私個人や株式会社LCNEMとして技術的な話題を盛り上げていく必要があるとも感じています。

日本においては、Cosmos関連の開発もできて発信もできる会社とかって、あまり多くないと思いますから、率先して盛り上げていかないとなと思っています。

ところで、Cosmos Clientって?

私個人・株式会社LCNEMが開発する、Cosmos SDKブロックチェーンのREST APIに対するクライアントソフトウェアのSDKです。

以下、記事執筆時点での最新の状態における、トークン送信のテストコードです。

https://github.com/cosmos-client/cosmos-client-ts/blob/af3e27b6b9b06533663959e8b5a86230467a9a70/src/rest/cosmos/bank/bank.spec.ts

今このプログラムの中身を説明したいわけではありません(それこそワークショップでも開いて説明すればいいので)が、一つ言えることがあります。

これ、開発が簡単だと言われてるNEM, Symbolのクライアントライブラリと同レベで簡単なコードになってるんですよ。

参入障壁はそれなりに高くないはずです。だからこそ技術的話題にみんなが乗れるような雰囲気をつくらないと、もったいないんですよね。

Stargateブロックチェーンの開発

尤も、LaunchpadのCosmos SDKで開発してきた精鋭プロジェクトたちですら、Stargateへの移行が遅れている現状(※ツイート参照)、Stargateでの、クライアント側でない、ブロックチェーン側を開発しようだなんて、それは間違いなく難しいでしょう。認知が広まるのはかなり時間がかかると思います。

どれくらい難しいかっていうと、Cosmos SDKのソースコードほぼ読まないとできません。※ツイート参照

めちゃくちゃです。こんなので広まるはずはありません。時間がかかって当然です。

難しい分、こっちのほうも、率先して、発信していかないとな、と思っています。

課題と解決策

難しい分、こっちのほうも、率先して、発信していかないとな、と思っています。じゃあなぜ今やらないのか?

雰囲気がそうなってないからです。

言いましたよね。Telegramはトークンの話ばかりで技術的な話はない、と。

発信するにはみなさんによる話題の醸成が必要です。

ぜひみんなで協力して、技術的話題ができる雰囲気を醸成し、技術的話題を活性化させ、かかわる人が増えるような好循環を作り上げましょう。

LCNEM社のブロックチェーン”JPYX”, “EURX”はフォーク元のKavaより一足先にStargate対応が完了しており、間もなくパブリックテストネットのアナウンスをする予定でもあります。

こちらに関しても、技術的話題でも盛り上げていこうと思っていますので、ぜひみなさん、一緒に盛り上げていきましょう。ブロックチェーンの垣根を越えて。