スターバックスがブロックチェーンをつかったら

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スターバックスは、小規模農家の多いコーヒー豆生産を持続可能にし、農家との関係も構築するモデルを定めました。

それが、C.A.F.E.プラクティスです。

C.A.F.E.プラクティス

必須条件である品質基準、経済的な透明性をクリアし、かつ第三者機関からの評価では社会的責任、環境面でのリーダーシップを達成します。

引用: C.A.F.E.プラクティス

また、これらの基準そのものにも透明性をもたせ、検証可能なようにするため、ブロックチェーンを活用します。

品質基準

サプライヤーから仕入れるコーヒー豆は、すべてスターバックスの品質基準をクリアしていなければなりません。

まず、ブロックチェーンをつかった検証可能なサプライチェーンを使用します。

それに加え、サプライヤーはコーヒー豆に関するデータに差分プライバシーを施し、IPFS分散ストレージにアップロードします。

品質に関して、第三者機関も検証可能となっています。

経済的な透明性

サプライヤーはすべての支払に関する証明書を提出しなければなりません。この手続きを効率的なものにするため、サプライヤーは証明書をIPFS分散ストレージにアップします。

そして農家は証明書のハッシュ値をブロックチェーンに記録し、記録に使用したアドレスの公開鍵を公開します。もしサプライヤーが偽の証明書をアップしているなら、農家はハッシュ値をブロックチェーンに刻む前に第三者に指摘することができます。

農家は、サプライヤーが証明書を改ざんすることに恐れる必要はありません。また、サプライヤーも一切の曇りなく支払いを証明することができます。

社会的責任

サプライヤーは、人道的な労働環境、生活環境などを保証する社会的責任を果たします。

サプライヤーは、農家の労働環境や生活環境といった統計データを準同型暗号を使用し、暗号化してIPFS分散ストレージにアップします。

暗号の準同型性により、第三者は、労働環境向上の努力が統計的に有意であるか検証することが可能です。

準同型性とは、暗号\(Enc\left(\bullet\right)\)が
$$ Enc\left( x \right) + Enc\left( y \right) = Enc\left( x+y \right) $$
もしくは
$$ Enc\left( x \right) \times Enc\left( y \right) = Enc\left( x\times y \right) $$
となることをいいます。どちらも成り立つものを完全準同型といいます。

環境面でのリーダーシップ

コーヒーの栽培、加工にあたり、廃棄物管理、水や農薬の使用量削減といった社会的責任をはたします。

廃棄物に関しても追跡用のブロックチェーンによって流通を管理します。

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ビットコイン決済もされるようになったらなったでうれしいのはわかるんですけど、もっとこういうブロックチェーンなしにはコスト高すぎてできなかったことも見ていきたいですね。

ちなみに1年半ほど前まで、2年間スタバでバイトしてました。ブラックエプロンは目指せなかった。

※この記事は30分で書いたフィクションです。

参考:

ブロックチェーン × プライバシーの偏見と実際

準同型暗号の最前線1(入門編)

ビッグデータのプライバシー保護技術