仮想通貨に通貨発行益はあるのか

面白い話です。考察していきましょう!

通貨発行益とは?

ざっくりした説明は、ウィキペディア見ましょう。シニョリッジ

本位貨幣の場合

本位貨幣とは、金貨や銀貨のようにそのものに価値があるタイプの貨幣、もしくは金本位制の時代のように金などの裏付けを持つ貨幣のことを指します。

例えば1両の金貨を発行するとしましょう。1両の価値がある分の金を使って作るので、通貨発行は赤字です。製造費的な通貨発行益はありません。

通貨発行益を産もうとすると、金を薄めた悪貨を発行することになります。

こうなると、有名な「悪貨は良貨を駆逐する」減少が起きます。グレシャムの法則

信用貨幣の場合

信用貨幣とは、日本銀行券のように、金や銀の裏付けなく、国家の信用で発行される貨幣のことを指します。なぜ裏付けなしで信用されるのかというと、税金の決済手段として認められているからです。新表券主義

例えば日本銀行が日本銀行券を発行する際には、引き換えとして国債を引き受けることによって日本銀行券を発行します。

このとき、製造費的な通貨発行益がまず生まれます。さらにこれに加えて銀行券を発行する際に引き受けた国債の、金利があります。ここで金利的な通貨発行益が生まれます。

通貨発行益はどこから生まれるのか

通貨発行は、無限に利益を生み出す金のなる木ではありません。

本位貨幣の場合、通貨発行益を生むためには悪貨を発行することになりますが、これはグレシャムの法則によって良貨が駆逐され、インフレーションが発生します。

信用貨幣の場合も、供給量が増加し、インフレーションが発生します。

どちらの場合もインフレが起きますね。通貨発行益は、通貨の供給量を増加させてインフレを起こし、すでに流通している通貨が希釈された分、通貨発行者に渡ったものとみなすことができるのです。

仮想通貨の通貨発行益

では本題です。

仮想通貨を通貨とみなせば、通貨発行益はあるのかと言われれば、あります。それは、新規発行を続けている通貨においてです。

しかし、橋下さんは仮想通貨の通貨発行益が特定私人に属することを想定しておられるので、不特定多数の私人に通貨発行益が属する「マイニング等への新規発行による報酬」ではなく、ICOのようなものを想定していると考えられます(マイニングについてはNEMのハーベスティングの仕組みをご覧ください)。

この点に関していうと、ICOにおいては、通貨発行益というのは存在しません。

ICOで買われるトークンはなぜ価格がつくのかというと、これはまったく株式と同じです。つまり、ICOでの収入は、通貨発行益ではないんですよ。株式の発行で得た収入が通貨発行益ですかと言われれば違いますよね。

このツイートは、株式のような資金調達と、通貨発行益を混同していると考えられます。株式やICOのような資金調達では、株式やトークンの初期保有者はリスクをとっているのですから、ある程度リターンがあるのは当然です。この論理だと、世の中に流通している株式も鼻毛になってしまいます。

ちなみになんですが

皮肉なことに、大石さんの支持するビットコインではマイナーがシニョリッジを得ていまして、これは大石さんの価値観からすればアンフェアなことです。

ちなみに、通貨発行益というのはインフレによって強制的に調整するインフレ税のようなものですから、フェアかどうかと言われればアンフェアではないと思います。

まとめ

  • 仮想通貨において通貨発行益が発生しているとすれば、それは「マイニング等への新規発行による報酬」においてです。
  • 特定私人に資金が集中するICOには通貨発行益はありません。
  • 上記2点の混同が、話をややこしくしています。
  • 民間の通貨で通貨発行益が発生することをアンフェアだと思うなら、マイニング等への新規発行による報酬は今すぐやめるべきという論理になるはずです。

そういえば、新規発行がない通貨があったなぁ。名前なんていったっけ。NEMだったっけな。